ねがい*ごと
第8章 願いがかなう時
洗い物を終えてシンクの水滴を拭き取っていた時だ。
「ママ〜、これ見て?今日ね幼稚園で叶美が絵を描いたの。でも、この人だ〜れ?」
「ん、どれどれ?」
娘達は園で毎日お絵かきをしてくる。
私は何気なく、その画用紙を亜優から受け取ったが。
「っ」
絵を見るなり、私の頭の中が真っ白になった。
「これっ…ほんとに叶美が…描いたの?」
震える声で亜優に聞いた。
「うん…。叶美はママだって言うの。でもママの髪の毛、こんなに長くないもん!」
はっ…
その瞬間私はリビングへと向かっていた。