俺氏、捨て子を拾いました
第1章 出会う
「落ち着いた……?」
長い間、号泣していたふたばちゃんに恐る恐る問い掛けると彼女はこくりと大きく頷いた。
「はいです……すいません、お見苦しいところを……です」
壁どん来なかったし、可愛かったんでよかとです。
「辰海さん……これからよろしくお願いします。迷惑いっぱいかけるかもですが……何でも言うこと聞きますので……当分の間……お願いします……」
ん? 今何でもって言ったよね?
それじゃあ仕方ないなぁ……僕のおちん……
やめよう……マジもんの犯罪者になってしまう。
「小さい部屋だし、居心地悪いし、俺ニートだけどよろしくね」
「……にーと?」
ニートという言葉に首を傾げるふたばちゃん。ニートという言葉をどうやら知らないらしい。
「働いてない、社会に抗う一人の人間ってことだよ。母ちゃんの仕送りで生き延びてる史上最強の人種のことをNEETって言うんだよ」
「そーなんですか。施設の人達は成人になっても働いてないやつは大抵ゴミクズと……」
「おいやめろ!! それ以上言ったらお前殺されるぞ!! 大勢の人に!! あとその施設のやつどこにいる!? ぶっ飛ばしてやる!!」
「……大丈夫ですかね……この人……いや、大丈夫じゃないですよね……」
そんなこんなで俺はふたばちゃんを拾うことになりました。