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あなたに精力うばわれちゃいます!

第2章 捲土重来



白のカーテンが私を包む。
その横には、慣れた手つきで救急箱から薬を出す堺くん。

「じゃあ、この薬と…後、熱を測ろうか」

「う、うん……あっ!自分で測るからっ!」

堺くんは体温計を持って私のブラウスを脱がそうとしたが静止する。
それを見た堺くんは、控えめにクスッと笑う。

「ははっ、そうだね。恥ずかしいか。じゃあ、はいどうぞ」

「ありがと……」

体温計を受け取り、私はブラウスの上から二つのボタンだけを開ける。
そして、左脇に体温計を差した。

「俺、保健委員だから何かあったらいつでも言ってね」

「そうなんだ……!どうりで慣れてるなぁって……」

「うん。……あ、そうだ!朝ごはんはちゃんと食べた?」

思いついたかのように、堺くんは私の顔の前にずいっと出て質問した。
あまりにも近かったため、自然と私から離れる形になる。

「う、ううん!食欲無かったから食べてないよ…」

「やっぱり…食べなきゃダメだよ。薬飲む時に必要なんだから」

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