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あなたに精力うばわれちゃいます!

第2章 捲土重来


腰に手を当てて、若干頬を膨らます堺くん。
私はそれだけで癒されてて、何だか気持ちいい感覚に襲われる。

「仕方ないなあ…そんな水上さんに、俺からプレゼントをやろう!」

そう言って、懐から出てきたのは…手の平サイズのミニパンだった。

「これは…?」

「朝、時間がなかったから学校ついた時に食べようと思っていたパンだよ」

「ええ?! でも私なんかに…いいの?」

「薬、飲まなきゃだからね!」

堺くんは私にウインクすると、机においてあった薬を指さす。
何故こんなにも薬を強要するのかわからなかったが…

「堺くん…ありがとう!じゃあ、遠慮なくいただくね」

「どーぞどーぞ!」

この後私は、パンを食べ終わった後、薬を“2錠”飲み、いつの間にか眠ってしまった。
一時限目のチャイムが鳴る前のことだった。



「……寝たかな」

周りを見渡して、祈織はポケットからあるものを取り出した。
それを確認すると、ぎゅっと手に握りしめ、読んでいた本に栞を挟んで縁の寝ている所へとお邪魔する。

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