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第5章  アツシ side


「泣くなって」

無言で渡すのも変だし
かと言って
気がきいたことも
言えねえ
オレ馬鹿だし

かっこよく渡すとかも無理
柄じゃない

橋野の頭めがけパーカーをかける

バサッ

もがもがとでも言いそうな慌てぶりでパーカーの中でもがいてる

思わず吹き出す

「それ
いつでもいいから」

まあ…捨てられても文句言わないけど

それだけのことした自覚あるし…
今のうちに帰ろう
きっと
泣き腫らした顔は人に見られたくないだろうから

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