Beautiful Love
第5章 優人 side
俺が許嫁の存在を知ったのは、5年前、17の時。
俺の家は至って普通の一般家庭。どこにでもある平凡な家庭。
17の時親父から、許嫁の話を聞かされた。相手は5才下の一般家庭のご令嬢だ、と。
あの頃の俺は相手が12とか有り得ねぇとか思ってたけど、今じゃ気にならねぇ歳の差だよな。17と22じゃそんな変わんねぇだろ。
それから5年間、俺は彼女も作らず独り身だった。許嫁の存在に縛られてた訳じゃなくただ単に面倒臭くて。
その5年の間に一度だけ付き合った彼女とはいい形で終わらず、俺の恋愛恐怖症の発端でもある。そこまで重大じゃないが。
そして22の今日、遂に相手に会うときが来た。昨日の夜言われて今日の今だ、心構えなんか全然できてねぇ。
しかもウチの学校の生徒だって知ったのはここにくる車中だ。生徒と教師の恋愛なんて許されたもんじゃない。俺は既に学校への言い訳を考えていた。
ウチからたったの15分で着いた相手の家は聞いた通り至って普通の一般家庭だった。