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Beautiful Love

第5章 優人 side




 チャイムを押して出てきたのは20代後半と見える女の人。


 ・・・この人は姉か?にしても年が離れすぎてる。じゃあ母親か?



 「あっ、いつも娘がお世話になっておりますー!」



 ・・・マジか、母親かよ。すげえ綺麗だな、おい。



 「夏美ーー!今日は学校行かなくていいわーー!」



 俺の許嫁ってきっとこの人の娘だよな。ってことは今の夏美か?

 しかもウチの学校の生徒・・・夏美って奴居たか?
 
 俺がぐるぐると一人で考えていると、


 「どうぞ、御上がり下さい。事情は聞いてますので。」



 うん、だよな。話をしなきゃ意味がない。



 俺は出されたスリッパを履くと黒木家のリビングへと案内された。


 勧められたソファーに腰掛けると深く腰が沈んだ。まるで俺を引きずり込むように。


 出されたお菓子とお茶は母親の手作りだった。出されたクッキーはほんのり甘く、俺の心を癒すようだった。



 「今日、此処に来てくださったのは、夏美との婚約の件ですよね?」


 「はい。」

 
 やっぱ、自分の娘を娘の通ってる高校の保健医に託すのは不安だよな。

 そう思ったのに__

 「これから、娘を宜しくお願いしますね♪」


 は、はい?

 しかも語尾に音符ついてるし。


 「あのー、不安じゃないんですか?大事な娘さんを許嫁に出す事・・・」


 「別に全く不安じゃないわよ?何か貴方なら娘と相性が良さそうだし。」


 すげえなこの御母様は。

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