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DAYS

第44章 あとがきとお礼





N side


殺風景になってしまった部屋にひとり。


「ふぅー…。」


部屋をぐるりと見渡して、息をつく。

入った頃と変わらない部屋が広がる。
一人暮らしを始めた2年前と同じ。

変わった事はない。
そこに思い出が増えただけ。


「こんなに早く別れになるなんてなぁ…。」


『一緒に住もう。』
って、言われたのは2ヶ月前の事だっけ。

初めは断ってたんだけど、
まーくんの気持ちの強さに負けてしまった。

…まぁ、俺も一緒に居たい、し…。



社会人になって、不安な気持ちも
何もかもを、この部屋では吐き出せた。

まーくんとの思い出もそこら中にある。
考えれば考えるほど、別れが惜しい。


「かーずー。」
「んー?」


玄関の方から、恋人の声がする。


「荷物まとまった?」
「うん。もうまとまったよ。」
「本当だ。何にも無くなっちゃったね。」


まーくんが部屋に入ってきて、
ますます思い出が走馬灯のように
思い起こされる。


「…何か、淋しいね。」


やっぱり、まーくんは同じことを
考えてたんだね。


「楽しかったよね。」
「うん、楽しかった。」
「…さっ、もう行こっか。」
「うん、ちょっと先に行ってて。」


車で待ってるねって、まーくんは出てった。

また、部屋にひとり。


まーくんが好きだって気がついたとき、
すごく悩んだよね。

付き合えるってなった時、あの日は
夜中泣いてた。

喧嘩した日はブツブツ文句言っちゃって…。


全部全部、ここに詰まってる。

2年間の全てがここにある。


「バイバイ…。

ありがとう。」


ふわっと、優しい春の風が
頬に触れたような気がした。


カーテンのない部屋は、ずっと明るいまま。





-Thank you for the wonderful time...-
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