テキストサイズ

ペットではなく家族です。

第6章 コウの場合



奈穂子「…もう」


人間がライオン舎の中にいる

例えそれが
自分の意思で入り出なくても
そのままほっとくわけにいかず奈穂子も
ライオン舎の中へ
入って行った


奈穂子「(小声)…ちょっと」

コウ「…」

奈穂子「(小声)どうやって入ったかは
知らないけど危ないから外に」

コウ「ここは俺の部屋、家なの、だから
出ていかない」

奈穂子「(小声)何言ってるの…あなた
頭、大丈夫?」

コウ「先月の検診では問題ないって言わ
れた」

奈穂子「(小声)頭は?精神科は?」

コウ「さぁ?」

奈穂子「(小声)とにかく、危ないから
外に出て、もしあなたがライオンに襲わ
れでもしたら大問題になる、死活問題よ
だから」

コウ「だから大丈夫だって」

奈穂子「(小声)大丈夫じゃないの!!
姿が見えないからって安心したら」

コウ「だって俺だもん」

奈穂子「…は」

コウ「俺がこのライオン舎で暮らしてる
ライオンだもん」

奈穂子「…あなた…何言ってるの…」

コウ「俺だよ、わからない?」

奈穂子「…えっ」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ