
ペットではなく家族です。
第7章 葉子の場合
寛一「…ふぅっ」
アトリエから
自室へ戻ると寛一は
約束通りひかりの事務所に電話した
寛一「久遠です、いえ問題はないですが
急用が出来て中止になったんです、いえ
彼女はなにも、ただこちらの急用なので
お金の返却は結構です」
ひかりが怒られないよう中止になったの
は自分の急用だからと強調し
お金も返却不要と
そして…
寛一「彼女なら大丈夫ですよ、彼女なら
きっと期待以上の作品が出来ると思いま
すから無理させる事なく彼女を見守って
あげてください」
彼女への
ひかりへの期待を伝え
無理強いはさせないよう念を押した
約束はしなかったが寛一はわかっていた
ひかりならきっとやれる
出来ると
もちろんそれは
売名の為でも路線変更でもない
新しい新たな自分になる為の第一歩だと
寛一はそう考えていた
寛一「さて、午後の準備するか」
