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ペットではなく家族です。

第8章 アポロの決断



孝太郎「赤沼さん、探偵雇って香織の事
探させてる」

香織「…」

孝太郎「大丈夫か?」

香織「実は赤沼さんに見つかって逃げて
た途中なの」

孝太郎「…そっか」

香織「前に自分の愛人にならないかって
誘われて」

孝太郎「愛人!?」

香織「月100万渡すからって」

孝太郎「まさかお前、赤沼さんの愛人に
なっ」

香織「断った、って言うか無視して一人
で帰っちゃった」

孝太郎「あ、そっか…」

香織「でもそのせいか電話とかメールが
すごくて…」

孝太郎「ねちっこい性格だからな」

香織「仕事も辞めて引っ越もして携帯も
解約したんだけど、やっぱり…」

孝太郎「!?」

香織「あ、あの人からは…逃げられない
のかな…」

孝太郎「香織…」

香織「変だよね…今になって…震えが…
震えが止まらないよ…」


気勢を張り
平気なふりをしていたが
本当は怖くてどうにかなりそうだった

自分を見るあの目が名前を呼ぶあの声が
頭から消えず耳元から離れず
変になりそうだった


孝太郎「香織…」

香織「…」


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