ペットではなく家族です。
第9章 クロ様の場合
朱美「…」
あの家に帰りたくない
あの男と一分一秒も一緒にいたくない
これ以上、我慢出来ない
耐えられない
一日でも早く自立し家を出たかった
例え友達の家に泊まると
嘘をついても…
朱美「…」
男性「すいません、通らないならどいて
もらえますか」
朱美「えっ、あっすいません…」
駅の改札を通り
通勤ラッシュの電車に乗り込んだ朱美
隙間なくぎゅうぎゅうに詰められ
電車はゆっくり発車した
学校までは一時間
その間、我慢するしかない
朱美「ぅうう…」
前と後ろ
左右からも挟まれ
身動きが取れない状態で10分が経過
その異変は突然やってきた
朱美「…!?」
お尻に妙な感触が…
たまたま鞄が当たっただけかもしれない
仮に手だとしても仕方がない
これだけ満員だし
だけど…
朱美「っ!!」
違う
たまたまじゃない
その手は朱美のお尻をガッチリと掴み
スカートの中に手を伸ばし
直接触れてきた
朱美「あ、っう…」
痴漢だ