ペットではなく家族です。
第14章 クロ様の覚悟
朱美「お母さんは私を売ったんでしょう
あいつに」
母親『ちが、違うわ!!』
朱美「あいつが初めて家に来た日、私は
あいつに襲われた」
母親『!!』
朱美「私はあの日、あいつに処女を奪わ
れたの」
新之助「…」
新之助が側にいる
自分達の会話を聞いてる
悍ましく本当は言いたくなかった
だけど今日まで見て見ぬフリをしてきた
母に制裁を下す為にも
朱美は続けた
朱美「一瞬何が起きてるかわからなくて
誰にも言えなかった、だってお母さんの
好きな人だもん」
母親『…』
朱美「知られたくなかった、お母さんを
傷付けたくなくてずっと黙ってた」
母親『朱美…』
朱美「でも最初から知ってたんでしょう
あいつがあの日から毎晩、毎晩のように
私に何してたか…」
母親『朱美…ごめんなさい…』
朱美「…」
母親『本当に…』
泣いているのか
声を震わせ朱美に謝罪する母
謝罪したからと言って過去が変わるわけ
ではない
だけど未来は変えられる
そう信じていた
母親『でも…仕方なかったのよ…』
朱美「…」
だけど未来は変わらなかった
変えられなかった