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ペットではなく家族です。

第14章 クロ様の覚悟



母親『彼が好きだった、彼と結婚したく
て、それで』

朱美「そんな理由で…」

母親『私だって辛かったのよ…』

朱美「…」


辛かった?
私だって辛かった?

意味がわからなかった
この人は一体、何を言っているのか…


母親『彼には私から話す、だからお願い
家に帰って来て』

朱美「…」

母親『朱美お願い、朱美がいないと離婚
されちゃう、別れたくないの…』

朱美「…っ」

新之助「代わるよ…」

朱美「…」


自分勝手な母親
新之助に電話を代わると
堪えていた涙が両目から溢れ泣いてしま
った


朱美「うっ…ぅう…」

クロ様「…」


何も言わず手を握ってくれたクロ様
その手から伝わる温もりに
ホッとした


新之助「はい、はい」

朱美「…」


それからの事は
あまりよく覚えていない

覚えているのは新之助の真剣な横顔と
クロ様の優しい手の温もり
それだけだった


朱美「…?」

新之助「あ、その…悪かったな」

朱美「あ…いぇ…」

新之助「そんな事情があったとは知らず
嫌な事、思い出させて…」

朱美「…」


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