ペットではなく家族です。
第14章 クロ様の覚悟
朱美「ちょっと買い過ぎたかな」
学校返り
両手に荷物を抱え
クロ様の待つ自宅へと向かっていた
朱美「…!!」
階段を上る途中
朱美はアパートを見つめる
髪の長い見知らぬ女性がいる事に気がつ
いた
朱美「…誰だろう」
気にはなったが
自分がここに住んでいる事
管理人、ご近所にも秘密にしていた為
見られる前に急いで
中へ入った
朱美「…」
クロ様「お帰り」
朱美「あっ、ただいま…」
クロ様「何」
朱美「先生、まだ帰ってない?先に帰っ
たと思ったけど」
クロ様「いや、まだだけど…」
朱美「…」
クロ様「何かあった?」
朱美「ううん、別に何にもないよ」
クロ様「…」
クロ様には話さなかった
多分、クロ様の知り合いではないし
話したところで混乱するだけで何の解決
にもならない
話すべきはクロ様ではなく
新之助だった
新之助「女?」
朱美「アパートの方を見てた、気のせい
かもしれないけど」
新之助「どんな人だった?」
朱美「顔までは…」
新之助「思い出して、ほらっ!!」
朱美「…えっと」