ペットではなく家族です。
第16章 奈穂子の結末
奈穂子「すいません、寺尾省吾の、あの
恋人ですけど」
看護師「少々お待ち下さい」
奈穂子「…」
少し迷ったが
自分を恋人だと名乗った
省吾がどう思ってるかわからなかったが
自分は省吾の恋人
別れたつもりはない
だから…
奈穂子「…」
女性「省吾、省吾…」
男性「省吾…」
奈穂子「…嘘…嘘でしょう…」
泣き叫ぶ男女の声
その様子から事態は最悪だった
最後の姿を見たくなくて動けずにいると
看護師から…
看護師「こちらへどうぞ」
奈穂子「…無理…無理です…」
看護師「谷口さん?」
奈穂子「私には無理です、彼の死に顔を
見るなんて…今の私には…」
看護師「え、あの…」
奈穂子「…無理です…見れません」
看護師「寺尾省吾さん、亡くなってませ
んよ」
奈穂子「…えっ」
省吾「勝手に俺を殺すな」
奈穂子「省吾!?えっ、でもだって」