ペットではなく家族です。
第21章 ピー子の場合
龍之介「はあああ、眠っ…」
一睡もする事なく
無我夢中でピアノと向き合い
指や手が痛くてペンが持てなくなるほど
書き続けた
書いて書いて書いて
書き続けた
龍之介「監督、泣いて喜ぶぞ」
自信満々
かなりの自信作
映画、ドラマに採用間違い無し
そんな事を思いながら業界では力のある
監督に見てもらったのだが
その結果は…
監督「…」
龍之介「監督、今度映画撮るんでしょう
この曲を是非主題歌に」
監督「…立花さん」
龍之介「はい」
監督「いい曲はいい曲だけど今回の映画
には合わないから悪いね…」
龍之介「え…」
いい曲だけど
今回、採用は見送られた
映画に合わないからという理由だったが
どうしても納得出来なかった
納得出来なくて…
龍之介「監督、監督お願いします」
監督「無理なものは無理」
龍之介「監督…」
必死に説得を試みるが状況は変わらず
最終的に監督は本音を漏らした
断った本当の理由
それは…
監督「立花さん、いい加減に気づいてよ
もう時代が違うんだよ…」
龍之介「時代…」