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ペットではなく家族です。
第21章 ピー子の場合
龍之介「早く行け」
愛「…わかった…もう来ない…」
龍之介「…」
愛「…」
愛は最高だった
体の相性も良いしかわいい
何より体以上に愛の人柄そのものに惹か
れていた
だけど結局
龍之介の中で愛の存在は
詩や曲を作る為の材料の一つに過ぎず
永続的ではない
一度目は良かったが二度目ともなると
なかなか創作意欲が湧かず
結果、お別れに…
龍之介「さて、どうするかな…」
二本目のタバコを銜え
これからの事を漠然と考えていた
ボーッとして完全に気が抜けてしまって
いた龍之介
だから突然…
龍之介「…」
謎の声「セックス、したくなったら来て
って、お金は口実」
龍之介「!?」
謎の声「愛の中すごくいいよ、ああンッ
中で溶けそうなくらい」
龍之介「…ッ」
背筋がゾッとした
背後から突然聞こえてきた謎の声
自分と愛の会話、喘ぎ声すらも一言一句
間違えず記憶し正確に
真似した
謎の声「さて、どうするかな、さて、ど
うするかな」
龍之介「誰なんだよ…お前は…」
気持ち悪いくらいに…
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