ペットではなく家族です。
第22章 龍之介の結末
警察官①「…」
警察官②「立花龍之介の事、教えなくて
よかったんですか…」
警察官①「いいんだよ、わざわざ教えな
くて」
警察官②「そういうもんですかね」
警察官①「…」
飼い主を探す手間が省け一段落
したように思えた
だけど…
龍之介「…」
刑務所の中
窓のない鉄格子の中
薄れゆく意識の中で龍之介は…
龍之介「ピー子…ピー子に会いたいよ…
会いたい…」
譫言のようにピー子の名前を呼ぶ龍之介
目を閉じ人間の姿のピー子を
脳裏に想い浮かべた
だけどピー子には簡単には会えない
龍之介は刑務所
ピー子は外の世界にいる
そして何より人間のピー子は存在しない
最初から存在してなかったのだ
人間のピー子など…
龍之介「ピー子、会いたい…会いたいよ
ピー子…」
だから簡単に会う事は出来ないのだ
現実世界では絶対に…
…