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視線

第2章 バスの中で

「次は ◯◯病院前〜」 バスのアナウンスが流れ 舞は やっと ハッと我に返り 急いで 降りる準備を始めた。
バス停に着き 舞がバスから降りると ゴォーーと言う発車音を鳴らしてバスが出発する。

舞は チラッと バスの中を見上げた。

まだ 梶原がジッと こちらを見ていた。 バスが通り過ぎ 舞が見えなくなるまで 梶原はその無表情な視線で舞を見ていた。

な…なんなの…

結局 梶原はバスの中で ただ舞をジッと見てるだけで 何もしなかった。
だが 自分に気付いて欲しいからなのか 確かにバックで 舞のお尻を押した。

な…何がしたいんだろ。


それから 週2〜3回は梶原と同じバスになった。
その時も 挨拶を交わす事なく ただ舞をジッと見ていた。

この頃から 少しずつ 舞は梶原の事が 気になりだしてきた。
視線だけだが 何も言わないが その目の奥に 何か熱い感情が隠れてるみたいで 。
時々 その視線が 舞の頭の先から 顔 胸 腰 脚へと 舐め回すように見る時がわかる。
それが 服や下着の中までも 見透かされてそうで ドキドキするような 気持ち悪いような感じであった。

最近 梶原の視線が気になり 目を合わす事が出来ない。

ジッと見てるのがわかるから。

どうしよう。バスの時間 ずらそうかな…。

でも 私を見ててくれてるのは なんとなく嬉しいし… 会いたい気もする…

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