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梶原の怒りは尋常ではなかった。

「…ちょ…待って！ 違うの！知り合いなの！」

舞は すぐさま 事情を説明しようとしたが 梶原は話しを聞き入れない。

「来い！…車に乗るぞ！」

そう言うと 舞を置いて 足早に車に乗った。

舞も 小走りで助手席に乗る。

「さっきの男…知り合いか何か知らんが 舞の腰に触ってただろ？ お前 他の男に 触られても何とも思わないのか？」

「だから。さっきの人は 主人の会社の同僚なの！ 結婚前から 知ってる人だし 主人が出張行ってるのに なんでこんな所にいるの？って聞かれたから！ 私は 何とかバレないように 取り繕っただけだよ！」

「 そんなのどうでもいい！バレたら バレた時だ！ 」

「はぁ？ 雄介 何言ってるの？ バレたら絶対ダメじゃん！」

しかし 梶原には 別の次元で怒ってるようで

「さっきの男…お前の透けた乳首 ガン見してたぞ！気付いてただろ？」

「 そんな！気付く訳ないよ！ 私は 雄介といる時に 主人の同僚に会った事で 頭がいっぱいで！そんな あの人は 同僚の奥さんなんて 何も見てないよ！」

舞は 梶原に 呆れた。

2人の秘密旅行がバレたかどうかって事より 私の透けた乳首を見たとか そんな低次元で怒ってるなんて…馬鹿馬鹿しい！

子供と一緒だ！

「舞！ お前は 男っていうのを わかってない！あいつの目は 明らかに いやらしい目で見てたぞ！ お前は 男の下半身を 疼かせる エロいもんを 撒き散らしている女なんだ！ 他の男を 誘惑するような事をするな！」

「何言ってるの？ ハサミで切ったキャミとカーディガン着せたの 雄介だよ？ こんな目立つ格好させて 男を誘惑するな！とか 言ってる事 意味不明だよ？」

舞は 本当に 梶原はどうかしてると思った。

言ってる事と 行動がめちゃくちゃだ！

「うるさい！ エロい格好で誘惑するのは 俺だけになんだ！他の男には ダメだ！」

「もう！雄介の言ってる意味 わかんない！ヤダ！」

舞は 車から降りようとドアに手をかけると

「ダメだ！ 俺の側から 離れるな！ どっか行ったら 本当 殺す！」

梶原の目は 怒りと不安と泣きそうな目で 舞の腕を掴んだ。