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梶原は ここまで愛して 女性に高価なプレゼントをしようと思った事は一度もなかった。

過去の付き合った女性に プレゼントを もらう事はたくさんあっても 自分があげる事はなかった。

自分が買った ダイヤのネックレスを 愛する舞が 身に付けている。

それだけで 顔がほころび 幸せな気持ちになった。

「 舞 ‼︎ 好きだ！ 大好きだ‼︎ 」

そう言うと キツく抱きしめ 熱い キスを交わす。

舞の 唇は 柔らかい。

甘く 熱く濡れた 舌先を 思いっきり 味わっていた。

舞も 梶原のキスに酔いしれ トロンとした目で 受け止めていた。


すると 突然…

梶原の携帯の 着信音が けたたましく鳴った。

梶原は ハッと 唇を離すと 携帯の画面を覗いた。

「…真弓だ… なんで こんな 時間に…」

今までの 優しい笑顔から 急に 顔を強張らせ 携帯を睨み付ける。

舞も 我に返り

「えっ？ 奥さんなの…？ 雄介… 出なきゃ ‼︎ 」

舞は 見る見る青ざめた顔になり 梶原から離れる。

チッ！ 梶原は 舌打ちをすると 携帯の 通話を押した。

「…あ？ なんだよ！ こんな 時間に！ 」

不機嫌そうな 強い口調で 電話口で話す。

すると キンキンとした 金切り声の 真弓の声が 携帯から漏れて聞こえた。

「 あなた ‼︎ 隼人が 高熱で ‼︎ 苦しそうなの！ お願い 早く帰って来て‼︎ 」

切羽詰まった 真弓の声がした。

「 そんなの すぐに 病院に連れて行けばいいだろ？ 俺は 仕事なんだよ！ 行ける訳ないだろ ‼︎ 」

「 でも 隼人が ‼︎ 隼人が パパ パパ ‼︎って 呼んでるの！ 」

真弓の声は 泣き声に聞こえた。

「…… ああ… わかった… 今から 行くから…」

梶原は 落胆したような 小さい声で 応え 電話を切った。

舞は 震える指を 噛み締め 梶原から 離れた位置で 電話の一部始終を聞いていた。

「… ゆ…雄介… 隼人くん 熱なの…？ そんななら 今すぐに 帰らなきゃ…」

舞は 体を震わせ 涙が滲んだ。

私達が あってはならない行為をしてる時に 隼人くんは 熱を出していた…

ああ… ごめんなさい… 隼人くん… 真弓さん…ごめんなさい…