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第21章 舞の魅力に

舞は 仕事を終え 夕食の支度をしていると 涼太から 電話が鳴った。

「 舞〜! 元気してるかぁー? 梨花は 風邪引いてないかー?」

「 あっ! 涼太! 大丈夫だよ! そっちこそ 風邪引いてない? ちゃんと お布団 かけて寝るんだよ〜!」

まるで 子供に 諭すように 優しく舞が話す。

「 あははっ!大丈夫だよ! そう言えばさー もう少ししたら 会社の奴が 俺のファイル取りに来ると思う!
机の1番 上の引き出しに 入ってるから 渡しといてくれる?」

スマホから 軽快な声が聞こえる。

「うん!わかった!渡しとくねー!」

そう言い 電話を切った。

それから 梨花に 夕食を食べさせ 寝かしつけた頃 玄関のチャイムが鳴った。

もう 10時は過ぎた時間だった。

「 はぁーい!」

舞は返事をしたが 涼太の夕方の電話では 会社の人が もう少ししたら行くって 言ってたのに こんな遅い時間…

お仕事が 長引いたのかしら…

そう思い 玄関のドアを開けた。

そこには スーツ姿をした 涼太の同僚 三島が立っていた。

「 やぁー 舞ちゃん! 遅くにごめんね! 」

そう言い 爽やかな笑顔で手を挙げた。

「 あ! 三島さん‼︎ 」

舞は 梶原との 旅行中 海辺の高台で 偶然逢った事を 思い出した。

三島の顔を見ると なんだか モヤモヤと この前の旅行の事を思い出してしまう。

「 舞ちゃん この前 海で逢った以来だねー! びっくりしたよ〜!」

と グイっと 一歩 舞に近づく。

「あはは。 あ!待って! ファイル 取って来るね!」

そう言うと 二階へ 階段を駆け上がって行った。

三島は その舞の後ろ姿を ジッと見ていた。

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