テキストサイズ

視線

第22章 舞 VS 真弓

そして次の日 舞の家に電話がかかってきた。

「 …もしもし… 梶原です。 沢村さん… お話ししたい事があるので 今日お宅に伺ってもいいですか? 」

ついに この日が来た…

舞はそう思い 覚悟を決めた。

ピンポーンと 玄関のチャイムが鳴り 舞はドアを開けた。

「…か…梶原さん…」 舞は絶句した。

そこに立っていた 真弓は 全く今までと風貌が変わっていた。

この数日間で あの太めのぽっちゃりとした真弓が げっそりと痩せていた。

目には生気がなく どす黒いクマが出来ている。

髪もボサボサで 別人のようだった。

「 どうぞ…」

舞は リビングのソファーに招いて 真弓を座らせた。

真弓に震える手で 紅茶を出し 向かい側のソファーに座った。

「…沢村さん、私かなぜここに来たのか…もう わかってますよね? 」

真弓は 落ち窪んだ目をギラリと舞に向け 静かに言った。

「… あ…はい。」

舞は全身震える体をなんとか強く拳を握りしめ 真弓を見た。

「…昨日も 夜遅く あなたの家に 主人行ったでしょ?」

「…。」

… やっぱり 見られてたんた…

「…あなたと雄介の事 ご主人は知ってるの?」

「…いえ、知らないと思います。 でも もう話そうと思います…」

「…話すって…離婚するって事? 」

舞は 目をつぶり 優しい涼太の笑顔を思い出し 涙を滲ませる。

「…はい…私も主人を裏切り続けましたから。 きっと許してくれないだろうし …」

すると 真弓は ガンっと テーブルを叩くと ソファーから立ち上がった。

「 止めて! 頭に来るけど あんた達が離婚したら 私も完全に離婚させられる事になるわ‼︎
それに あんたが独身になったら 雄介が いつかあんたと結婚するとか言うから 止めてよ‼︎ 」

真弓は 怒りで 体を震わせ泣いていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ