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「 か…梶原さん…」

舞は 真弓の剣幕にビクッとした。

何？ 離婚して欲しくないの? 涼太には バレて欲しくないの？

舞は 意外な言葉にビックリした。

真弓は 込み上がる怒りで その場に立ったが ヘナヘナと力が抜けたように 座り込んだ。

「…… 沢村さん… どうして? どうして うちの主人なんですか？
沢村さんなら ご主人にとても 大事にされてたでしょ？
私と 違って美しいから 自慢の奥様だろうし…
なのに… なんで…なんで… 雄介なの…」

真弓は 魂が抜けたように 小さな声で 泣きながら話す。

「…ご…ごめんなさい… 私…私…」

舞もまた 泣きながら謝った。

真弓は 思い出すように 目を閉じ ゆっくり話した。

「 雄介はね…本当に 昔から女にだらしなくて 女を性欲処理にしか思ってなくて…
そんな男だけど 私は 雄介が大好きなの。
あの人しかいないの…」

「 今まで 1度も本気で 女を好きになった事なんてないわ…
でも… でも…
そんな 雄介が … あなたに 本当に惚れてるのがわかった…
こんなに 変わった 雄介は 初めてよ…」

舞は 目を見開き 両手で口を覆った。

「 あなたは 美しいから 今までも たくさんの男の人に大切にされて 愛されて 今だって幸せなんでしょ？」

真弓は 下を向き スカートをぎゅっと握りしめる。

その手に 涙がポタポタ垂れていた。