テキストサイズ

視線

第7章 逢う

次の日 いつものように 午前中での仕事を終わって 梶原と逢うために 出かける用意をしていた。

もしも 幼稚園のお迎えに遅れてはいけないと思って 由利に梨花の事を頼んでおいた。

梶原と逢うのが 怖いと言いながら 女性らしいシフォンのブラウスに フレアスカートを選ぶ。

今日は 梶原さんに きちんと ご近所だし お互いに結婚してるのだから 2人で逢うこと。 バスでのいやらしい行為は 止めてもらうように言おう。

大切な 涼太や梨花を 裏切るような事はしたくないから。
涼太は 誰よりも 舞を大事にしてくれるから。

舞は コンビニに歩いて行った。
駐車場に着いた時に 誰も見当たらない。

「プップッーー」 クラクションが鳴った。

すると 梶原は車の中から 舞を呼んでいた。

「 あのっ! ちょっと…困ります! 車でなんて!」

「 何言ってるの? ここは 幼稚園の裏だ。 早く乗らないと 幼稚園の関係者に見られたらどうする?」

「あっ。」

梶原の計算ずくだ。 乗るしかない。

「 わかりました…」

舞は 梶原の車の 助手席に乗り込んだ。

ゆっくりと 車が出発する。 どこに向かって走ってるのだろう。



車の中では 沈黙が続いた。 梶原はクールな顔で運転をしている。

舞は 顔を背けるように 窓からの流れる景色を眺めていた。

突如…

「 舞 一昨日の喘ぎ声は 可愛かったよ。」

と 熱い 慈しむような目線を 舞に向けて言った。

「 ちょっ… 舞って! なんで下の名前知ってるんですか?
それに 昨日 初めて話したばかりなのに!」

「 だって… 幼稚園のママ友さん? いつも 舞って言ってるだろ?」

由利の事 だろう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ