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第12章 深い快楽へ

梶原さんは 絶対に私に対する気持ちは 一時的なものだ。
冷静になるのだ。と 揺れる車の中で 舞は思っていた。

抱き合ってる時も 今も 好きだとは言ってくれてるが それはきっと 私の体にだろう。

自分は若くもないし 結婚している。

梶原だって 平凡な結婚生活に ただ刺激が欲しかっただけだ。

舞は 学生時代に長く付き合い大好きだった恋人に裏切られた痛手を 今でも少し 引きずっている。

そんな悲しみの心を 救ってくれたのは涼太だから…

涼太は 梶原とは逆で 少しずつ少しずつ 舞の心を暖めてくれた。

だから 梶原みたいに 一気に燃え盛り 激しい愛情をぶつける人ほど 冷めるのは 早いだろうと思っていた。

梶原なら結婚してても モテるだろう。

会話の中でも 昔は女を泣かせたみたいに言ってた。

きっと 失恋とか 辛い思いをした事ないんじゃないか。

自分の気持ちは 押し付けるけど こちらの気持ちは お構いなしだ。

そんなストレートな所も 惹かれるし 魅力だけど だからこそ 梶原が飽きて捨てられて 家庭も失うなんて事になっては最悪だ。

助けてくれたのは涼太だ。

流されて 梶原と深い中になってしまったが 終わらせなきゃ。

奥さんも 勘が鋭そうだし 怖い。

ただ ただ

梶原に 抱かれてしまうとそんな決心も吹き飛び 強烈な快感に 身も心も梶原の虜になってしまう。

もう セックスはしたくない…

舞は 大きなため息をついた。

「…どした?…舞…?…」

梶原は途中 車を端に止め 舞の顔を覗き込んだ。

…もう…私の気持ちも知らないで

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