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第12章 深い快楽へ

帰りの車の中… 今までの激しさが嘘のように 落ち着いた日常に戻り 来た道を帰って行く。

舞の身の変わり方は凄かった。

裸から 服を着た途端 急に 隣に住む奥さんになっていた。

その切り替えの早さに さすがだと思うがとても 梶原は寂しく 不安な気持ちになった。

あれだけ愛し合って お互い1つになって 梶原はもう舞を離したくなくて 気持ちがいっぱいなのに 舞は冷静な顔で座っている。

急に 遠く感じて来た。

今までの女も 妻も 梶原に好かれたくて 気を惹きたくて 積極的に自分にベッタリとしてくるのに 舞は真逆だ。

まぁ 家庭持ちではあるにしても ちゃんと切り替えている。

自分と好きな気持ちの温度差があるのに 梶原は 寂しかった。

走りながら そっと 舞の手を握る。

また今日も 遠い駅で降ろしてと言われた。

仕方ない…仕方ない事だが………

「舞… 今度 いつ逢える?」

「ん〜 まだ わからないし 頻繁は ダメだよ…」

「ちゃんと 毎日 メールしてな?」

「…うん…」

「俺 舞と逢えない時間に 耐えれるかな…」

「…うん…」

セックスの盛り上がりとは 別人のように 他人行儀な舞に 悲しくなった。

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