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引っ越しの片付けが ほぼ終わり 舞も今日から 出勤する事になった。
朝 梨花を幼稚園まで送りに行き 急いで 出かける準備をして バス停に歩いて行った。
仕事は 病院の受付なので 特にOLみたいなスーツを着る事もなく 綺麗なパステルカラーのブラウスに フレアースカートを履いて行った。
バス停には 4〜5人ほどの出勤らしき男女が 眠そうな目をしてバスを待っている。
舞も 腕時計に目をやり バスの来る方に目をやると 何かしら視線を感じたので やや後方の方に目をやった。

すると そこには この前のように クールな切れ長な目をした梶原が こちらをじっと見ていた。

あ！ 梶原さん所の旦那さん！

舞は 苦手だったが 社交辞令用の笑顔を浮かべ 梶原に
「おはようございます！」と頭を下げた。

すると 梶原は少し目を見開くと プイと横を向いて 舞の挨拶を完全に無視した。

は？ 何？ やっぱり 梶原さんの旦那さん 感じ悪い！
いいや！ こっちも挨拶しない！

そう思って 舞もフンと前を向いた。 何なの？まーいいや！
そして やって来たバスに 足早に乗り込んだ。

朝 出勤のバスの中は かなり混んでいる。そんなにギュウギュウ詰めではないが 途中で降りる時に 人を掻き分けながら降りないといけない。舞の乗ってる時間は 15分くらいだ。

舞はバスの真ん中辺りまで移動して なんとか握り棒に掴まった。
あー やっぱり 混んでる！と半ば しかめっ面で 移り行くバスの窓から見える景色を眺めていた。

その時 ふと バスの振動に合わせて 舞のお尻の辺りを バックが何か固い物で グイグイ押して来るのを感じた。
決して 痴漢の様な いやらしい押し方ではないが 不快に感じた。
あー 何？ そこまで 混んでじゃないのに 押さないでほしいわ！と チラッと 舞のお尻を押す後ろの方を見た。

そこには舞の真後ろに 立つ 梶原がいた。