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第13章 耐えられない

梶原は 車を停止すると 舞の方を向き

「 舞…ホテルでは あんな仲良くしてたのに なんで急に冷たくなった? ため息もついて…」

と 不安そうに 舞の頬を撫でる。

舞は一瞬 下を向いたが 意を決して 話し始めた。

「ね… あまり 舞とか 呼び捨てで言うの止めよ? だってもし はずみで 家族がいる前で 出たら困るじゃない?
私達 お互い 家族もいて 梶原家 沢村家の 夫と妻だから…
私も 雄介とは 呼ばない。
なんか 流れで こんな風になっちゃったけど 不倫とかって いけない事だし これ以上逢って行ったら いつかバレちゃうよ…
私も 正直 梶原さんに 惹かれてるし すごく気持ちいいセックスだったとは思う。それは認める。
でも 大人だし そこは ちょっと 冷静になって 色々これからの事をキチンと考えなきゃさ…」

「考えなきゃって…? いつか 別れるって事…?」

「 そりゃ…だって 私達に 未来はないのよ。 未来を作っていくパートナーは それぞれいるんだから…
だから… いつかは 終わりは来るよ…」

すると 今まで 黙って穏やかに 話を聞いていた梶原が ギラギラと怒りに震える 手で 舞の腕を掴んだ。

「あ?…何言ってんだよ! 未来がない? 俺は 一生 舞とは別れないよ。俺は なんなら 家庭捨ててもいいぞ?」

そう言うと ギリギリと 腕をひねった。

「ああ! 痛いっ! やめて‼︎ なんで そんな事を言うの? 奥さんや 隼人くんはどうするの?
ちょっと 待って! 落ち着いて!」

そう言うと 梶原は 猛スピードで車を発車させ 近くにあった廃墟となった建物の駐車場に入っていった。

「ちょっと…何? どうするの? 」 舞は 恐怖で怯え 震えながら 梶原を見た。

梶原は 完全にキレた顔で 運転していた。

すると またもや 運転席を降り 助手席から 舞を引きずり降ろすと フラットの後部座席に押し込んだ。

「 お願いだから 止めて!」 舞は 押し倒され 恐怖で震えた。

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