テキストサイズ

視線

第14章 Side 梶原真弓

最近 夫の雄介の態度が 変わった。

まるで精気を得て 意気揚々とし 男としての色気が出て来たように感じる。

元々 雄介は 結婚前から 女にはかなりモテていたが 大事故をし、勃起不能になってから 自信喪失し 人と関わるのが苦手になっていた。

だけど 私は そうなった雄介の方がいい。

私を妻として大切にしてくれるし 人間関係の面で 私に頼って来るのだから。

私が 結婚前に勤めてた会社に 入った時 雄介は キラキラしてて 本当に王子様のように カッコよくて 仕事も出来る先輩だった。

毎日、雄介を見るだけで 辛い仕事にも耐えられた。

私は雄介を初めて見た時から 一目惚れしたし 本当に大好きだった。
しかし私なんか ブスでデブで もちろん相手にもしてもらえない。

でも女にだらしないと評判だった。

雄介自身も 美人としか 付き合わないって言ってた。

取っ替え引っ換え 女を替え 捨てる。

でも そんな女の人が 羨ましかった。

例え 捨てられたとしても 一時でも 雄介と恋人になり キスもし セックスもしてもらえる。

あのスラリと高い背丈に 引き締まった体。 彼の女を抱くシーンを想像しただけで 濡れてくる。

例え 一晩でもいい。 私を女として抱いて欲しい。

だけど 雄介には 私よりも 何倍も綺麗な人が 順番待ちのようにたくさんいる。

私なんか 絶対無理。 だけど 諦めきれなかった。

そんな私も 少しでも アピールしようと 1番に雄介にお茶を出したり 雄介のたまった雑用を率先的に引き受けて 近づこうとしたが 全く相手にされなかった。

そんなある日 会社の飲み会が近々ある事を聞いた。雄介のチームも参加するらしい。

私はその前から なんとか 雄介と関係を持てないかと ずっと考えていた。
飲み会の後に 一夜を共にしたい。

しかも 飲み会の日は 排卵日だ。

なんだか 神様が大きなチャンスを私に与えてくれてるような気がする。

私は 綿密に計画を立てた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ