テキストサイズ

覚醒

第20章 父娘の背徳

それからも、父娘は事ある毎に躰を重ねた。

ある時、真実はSEXの後、聡に抱き締められながら尋ねた。

「ねえ、パパ、ママのあの手紙には、結婚指輪が入ってなかったわよね?…ママ、まだ持ってるのかしら?…」

「いや、夏海は仕事の妨げになるからと、普段指輪は外していたんだ。多分…そうそう、確かドレッサーの上のジュエリーボックスの中じゃないかな?…」

「本当?!どこ?」

真実は素肌に真っ白なシーツを巻き付けると、ドレッサーの方へ向かう。

小さな大理石で出来たジュエリーボックスの中には、必要最小限のアクセサリーが几帳面に並んでいる。

数は少ないけれど、上品で質の良いジュエリーは、夏海のセンスの良さが窺えた。

ダイヤ、ルビー、パール、艶やかな宝石達の中に、慎ましやかな、それでいて凛とした輝きを放つリングが1つ。

真実は、その銀色に輝くプラチナのリングを取り出すと、嬉しそうにベッドに駆け戻る。

「パパ…これ私が貰ってもいい?」

「…え?…どうかな…」

「ねえ、いいでしょ?もう、ママには必要ないんだから…」

「……」

「…パパ…まだママのこと?…」

「…いや、そう言うことじゃないんだ…」

「じゃあ、いいよね?パパ、私にこの指輪はめて?」

聡は、黙って真実の左手の薬指に指輪をはめながら、真実の中の女としての怖さを、またしても感じていた。

真実は左手を高く目の前にかざして、嬉しそうに眺めると、チュッと聡の唇にキスをした。

「これで、私たち夫婦ね!うふふっ!」

「…真実…」

「うふふ、幸せ。いつか、パパの子供を産みたいな…」

「…!子供?!」

「…そう、私たちの…」

「…真実、それは無茶だ。分かってるだろ?」

「…そうよね…無茶だ…うふふっ…」

そう言って笑う真実の瞳から、涙が次々と溢れる。

「…ごめんなさい…分かってるのに…私…」

「…真実…」

聡は、そっと真実にキスをする。

真実は、潤んだ目で聡を見つめると、激しく唇を重ねる。

二人はまたお互いに求め合い激しくSEXした。

娘の流す涙も愛液も、父の放つ精液も「背徳」の世界に生きる者が負う、傷口から溢れる血そのものだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ