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覚醒

第21章 再会

桜舞う4月

3年生になった真実は、午後からの講義に出ていた。

何気なく周りを見回した時、一番後ろの窓際の席に座る一人の男に目が止まる。

康太だ。

随分痩せて、無精髭を生やし、目付きも変わったような気がする。以前の爽やかな康太とはまるで別人だ。

頬杖をつき、桜が散る窓の方をぼんやりと見ていた。

真実は、康太から目が離せなくなっていた。

その視線に気付いた康太がこちらを向いた。

目が合うと真実はすぐに目を逸らして、教壇の方へ向き直った。

動揺しながらも、授業に集中しようとノートを執る。

ガタン!

真実の左隣の、跳ね上げ式の椅子が下ろされ、誰かが座った。

真実は下を向いたまま、そっと左を見ると、男の人の手とジーンズが目に入る。

「久しぶり」

その人物は、教壇の方を向いたまま、小声で話しかけてきた。

そう、康太だ。

「元気だった?」

「…ええ、まぁ…康太君は?…」

「…どう見える?」

「……。」

「俺、大学辞めるつもりだった…。殆んど授業にでなかったし、単位足りないし…。もうどうでもいいやって思ってた。でも、思い留まった…。留年することにした。何故だか分かる?利口な君なら分かるだろ?」

「…分からないわ…」

「真実、まだ親父さんと、その…ヨロシクやってんの?」

「………。」

「ホントに参ったよ…」

「あの事は…本当にごめんなさい…」

「いや、そうじゃなくて…」

「…え?…」

「あの日以来、俺、変なんだ」

「………?」

「君の事、忘れようとしたけれど無理だった。あの日の君の姿が、俺の中から離れなかった」

「…康太君…」

「真実、俺が毎日何をしていたか教えてやろうか?」

康太が真実の耳許で小声ではあるが、強い口調で言う。

「真実、君のことを思いながら、オナニーしていたんだ」

「やめて!」

「しっ!声がデカイ」

「……」

「君の躰をロープで縛って、躰じゅう舐めまわす。そして乳房をめちゃくちゃに揉み、アソコを舐める。そして、俺の硬いモノを君の中に突っ込んで擦る…」

「いやっ!お願い!もうやめて!」

「しっ!…」

「君としたくて、ヤリたくて…やっと会えた…ほら、もうこんなになってる」

康太は真実の左手を掴むと、自分の股間に押し付けた。

「ヒッ!」

真実の悲鳴が教室に響く。

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