覚醒
第11章 禁忌への招待客
そんなある日、康太が真実に招待され、やって来た。
「はじめまして。僕は真実さんとお付き合いをさせて頂いています。垣元 康太と言います。真実さんと同じ大学の、医学部三年生です。宜しくお願いします」
康太は、緊張して声が少し上ずっていたが、しっかりと挨拶をした。
「ようこそ。私は真実の父の聡です。宜しく」
聡は康太を一目見て、身なりも態度もしっかりとしている、好青年だと思った。
「まあまあ、垣元君、そんなに固くならなくてもいいから。さあ、狭苦しいところで申し訳ないが、どうぞ上がって下さい」
「あ、ありがとうございます。お邪魔します」
康太は、リビングに案内された。
「生憎、妻は仕事で福岡に出張でね。その後も全国転々とするようなんだ。君に逢いたがっていたのだがね…。宜しくと伝えてくれと言ってたよ」
「そうですか…。僕もお逢いできなくて残念です。またお逢いできる日を楽しみにしていますとお伝え下さい」
「ありがとう。何のお構いもできないけれど、楽しんでくれたら嬉しいよ」
「はい。あ、そうだ、これつまらないものですが、良かったらどうぞ召し上がって下さい」
康太は、手土産のワインを聡に渡した。
「これはこれは、ありがとう。却って気を遣わせてしまったようだ。すまなかったね」
それから暫く、聡と康太は、ワインや、軽いオードブルを愉しみながら、大学のことや、バイトのこと等々他愛のない会話で盛り上がった。
しかし、康太は家に入った時からずっと真実の姿を見ていない。
聡と会話しながらも、康太は、真実の姿を探していた。
「あの…、真実さんは、どこにいらっしゃるんですか?今日は、真実さんにお招き頂いてお邪魔したのですが…。姿がどこにも見えないですね。どこか躰の具合でも悪いのですか?」
「…いや、そうじゃないんだ。真実なら居る。君が来るのを楽しみにして、とびきりのおめかしをして、部屋で待っているんだ。さあ、真実のところへ案内しよう。…私の部屋に居る…」
「…?お父さんの?」
康太は、何故父親の部屋で真実が待っているのか、何故今まで出て来なかったのか不思議に思ったが、聡の後について行った。
「はじめまして。僕は真実さんとお付き合いをさせて頂いています。垣元 康太と言います。真実さんと同じ大学の、医学部三年生です。宜しくお願いします」
康太は、緊張して声が少し上ずっていたが、しっかりと挨拶をした。
「ようこそ。私は真実の父の聡です。宜しく」
聡は康太を一目見て、身なりも態度もしっかりとしている、好青年だと思った。
「まあまあ、垣元君、そんなに固くならなくてもいいから。さあ、狭苦しいところで申し訳ないが、どうぞ上がって下さい」
「あ、ありがとうございます。お邪魔します」
康太は、リビングに案内された。
「生憎、妻は仕事で福岡に出張でね。その後も全国転々とするようなんだ。君に逢いたがっていたのだがね…。宜しくと伝えてくれと言ってたよ」
「そうですか…。僕もお逢いできなくて残念です。またお逢いできる日を楽しみにしていますとお伝え下さい」
「ありがとう。何のお構いもできないけれど、楽しんでくれたら嬉しいよ」
「はい。あ、そうだ、これつまらないものですが、良かったらどうぞ召し上がって下さい」
康太は、手土産のワインを聡に渡した。
「これはこれは、ありがとう。却って気を遣わせてしまったようだ。すまなかったね」
それから暫く、聡と康太は、ワインや、軽いオードブルを愉しみながら、大学のことや、バイトのこと等々他愛のない会話で盛り上がった。
しかし、康太は家に入った時からずっと真実の姿を見ていない。
聡と会話しながらも、康太は、真実の姿を探していた。
「あの…、真実さんは、どこにいらっしゃるんですか?今日は、真実さんにお招き頂いてお邪魔したのですが…。姿がどこにも見えないですね。どこか躰の具合でも悪いのですか?」
「…いや、そうじゃないんだ。真実なら居る。君が来るのを楽しみにして、とびきりのおめかしをして、部屋で待っているんだ。さあ、真実のところへ案内しよう。…私の部屋に居る…」
「…?お父さんの?」
康太は、何故父親の部屋で真実が待っているのか、何故今まで出て来なかったのか不思議に思ったが、聡の後について行った。