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覚醒

第15章 渦

聡と真実は、唇を重ね、深く深くいやらしく舌を絡めた。

ガタッ‼

康太は、その会話と光景に目眩を催し、よろめいた。

その音で、聡がドアを開けた。

康太は、すぐさま立ち去ろうとしたが、聡に腕を掴まれる。

「垣元君、どうか真実を受け止めてやってくれないか?君なら、私たちを解ってくれると信じてる!垣元君!」

康太は、その手を振り払い、

「…俺は、どうかしてました。こんなことすべきでは無かった…。冷静になれば解る筈だった…。もう、ここに来ることはないと思います。失礼します…」

「垣元君、君は、きっと帰って来てくれる…」

「…………。」

真実が部屋から飛び出して来た。

「康太君!……」

「…真実、ごめん、今までありがとう。さようなら……」

バタン…

晩秋の明け方の冷やかな風が、康太の心を無情に突き刺す。

肩を落として歩く康太の足元を、クルリクルリと枯葉が渦のように舞っていた。

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