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覚醒

第20章 父娘の背徳

夏海が家を出て、2ヶ月…。

一通の封書が届いた。

夏海からだ。

聡はソファに腰を下ろし、少し緊張しながら封を切った。

中身はおおよその見当がついていたが…。

封筒から取り出した手紙に目を走らせると、深く息をついた。

それから眉間にシワをよせ、瞼を閉じ、手紙を握りしめた。

同封されていたのは、離婚届と、家の鍵。

美しく整った文字で夏海の名前が書かれ、捺印もされていた。

夏海からの手紙。

『聡様、真実様

 突然家を出てしまい、心配かけてごめんなさい。

心配なんかしてなかったかしら…。

却って、私がいなくなって精々してたかも知れないわね。

私は、あれから色々考えたけれど、やはりそこに帰ることができません。

こんなことになってしまったのも、私が馬鹿で愚かな人間だから。

でも、私はパパも真実も愛してた。これだけは信じて欲しいの。

ちゃんと気持ちを伝えられなくて、ごめんなさい。

貴方なら分かってくれてるって、思っていた。貴方に甘え過ぎていたのですね。

貴方の言う通り、私の中の父を消し去ることがてきなかったのも本当…。

父も家族も手に入れることを神様が許さなかったのですね。きっと。

今まで、ごめんなさい。そして、ありがとう。

貴方達が、これから辛い目に遇わないように祈っています。

真実、体に気をつけてね。パパをお願いね。


私は、春からドイツへ行くことを決めました。

ドイツで骨を埋めるつもりです。

さようなら。

             夏海より 』

聡の頬に、一筋の涙がこぼれた。

真実は俯く父を優しく抱き締めた。

「パパ…私がいるわ…私はパパから離れたりしない。ずっと一緒よ?」

真実は、そっと聡の頬を両手で包むようにして顔を上げると、聡の涙を唇で拭い、チュッと唇にキスをした。

聡は優しく微笑む真実の顔を、瞳を潤ませながら見つめると、聡の方から激しく唇を重ねた。

舌を絡め、熱く深く貪るように首の角度を何度も変えながら。

「ンンァ…ンン…」

真実をソファに押し倒し、カーディガン越しに乳房を揉んだ。

唇から首筋に舌を這わせ、耳たぶを甘噛みすると、真実の息使いが荒くなる。

聡は真実の白い首筋を吸い上げながら、カーディガンもブラウスも次々に剥ぎ取っていった。

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