テキストサイズ

大野さんのバカ

第2章 2

Satoshi side

疲れた様子で楽屋に入ってきたニノ

一瞬しっかりと視線が絡んだのに
すぐに逸らされて
荷物を手に楽屋を出て行こうとする

引き止めたニノは

和「……本物?」

とか訳のわからないことを言って
怪訝そうに見つめてくるから

存在を確かめさせるように

俺自身も暫く触れられてなかった
ニノの存在を確かめたくて

頬を包むようにして
優しく深いキスをした

あんなに苛立っていたはずなのに

ニノに触れられただけで
心が落ち着いていって

どうしようもすることのできない
気持ちの大きさに内心苦笑しながら

智「ニノ,誕生日おめでとう…」

祝福の言葉を送ると

和「…なんでいるの?」

冷たい言葉が返って来て

でも自惚れる訳じゃないけど

長年いるからこそわかる

これはニノの照れ隠し

こうやってストレートにお祝いされたり
そういうのにニノは恥ずかしがるから

智「お互い忙しいけど
誕生日くらいお祝いしたくて
ご飯でも行こう?」

和「…俺の予定も聞かないで
俺が用事あったらどうすんの?」

また可愛くない返答に

智「用事あるなら俺帰るよ
ご飯はまた今度行こう」

ちょっと揶揄ってみると

和「仮に,の話じゃん
用事はない,よ」

慌てたように言う姿に思わず笑いが零れた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ