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甘く、苦く

第67章 大宮【just a little】

二宮side



行為が終わったあと、
いつもは賢者タイムに突入するけど
今日は終わったあとの余韻を
楽しみたくて。

そっぽを向いてる智の丸まった背中に
きゅっと抱きついた。

そしたら、俺の手に智の手が重なった。

…可愛いじゃねえか。
コンチキショー


「……幸せだね」

「…うん、」


いつもだったら顔真っ赤にさせて
抵抗したりするのに。

今日はなんだか静かだ。


「なーに、なんか機嫌悪くない?
やだった?」

「…ちがう、」

「じゃあなによ。
セックスのマンネリ化?
これでも俺頑張ってんだけど…?」

「…違うってば」


こっちを向いた智は
ぷっと頬を膨らませて
不機嫌な仔猫みたいな顔してた。


「…なんかね、いろいろ、
考えちゃってさ…」

「たとえば?」

「…俺だけじゃないんだな、って
思ったの」

「なにがよ」

「…ニノとのセックス」

「はっ?…え?なに言ってんの?」


ぽかん、と口を開けて
智を見た。

そしたら

「…こういうの、なんか慣れてるなとか
思っちゃうんだよ…言葉も、仕草も……
なんか全部…
そう思ったら、ほんとに、っ、」

「バカだなぁ」


それ以上は言わせたらいかない気がして
無理に抱き締めた。

そしたら黙って、
「…ごめん、」
って弱々しく呟く。


「…慣れてるわけないじゃん。
未だにゴムとか開封する前
緊張するんだからね?」

「…うん、」

「…まあ確かに、初めてじゃ
ないけどさ。

こんなに愛したのは、
初めてなんだからさ?
お前のことだけだよ?
俺こんなに優しいの」

「…相葉ちゃんは?」

「あれは親友。
智は恋人。

違いくらい、わかるよね?」

「…うん、」


心做しか智が嬉しそうに
笑っていた気がした。

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