甘く、苦く
第69章 翔潤【near to you】
松本side
まだ…かな。
針がカチコチと規則正しく音を立てて
動いている。
静かな部屋でひとりで待つのは
当分前に慣れた。
テレビに映る愛しい恋人を見つめ
コーヒーを片手にふうっと
息を吐いた。
さみしいとか。
辛いとか。
…うん。
まだ、まだ大丈夫。
生放送が終わって、
ベッドに潜り込んだ途端、
人の温もりが欲しくなる。
「…しょーさん、」
ぽそっと呟いたこの声は
誰にも届かない。
一番届いて欲しい人にも、
届かないから。
さっきまでテレビでカッコよく
話してるあの人を見たら
もう少し夜更しをしても
いいかもね…なんて。
…明日も仕事だし、
早く寝なきゃな。
『先に寝るね。
おやすみ。
カッコよかったよ。』
これだけと簡単な文で
俺はいつも想いを伝える。
少しだけ。
ほんの少しだけ期待してる。
俺が起きてる間に、
帰ってきてくれないかな…って。
「あ、」
振動音が聞こえて、
夢に入り込みそうだった
頭が起きてきた。
まだ…かな。
針がカチコチと規則正しく音を立てて
動いている。
静かな部屋でひとりで待つのは
当分前に慣れた。
テレビに映る愛しい恋人を見つめ
コーヒーを片手にふうっと
息を吐いた。
さみしいとか。
辛いとか。
…うん。
まだ、まだ大丈夫。
生放送が終わって、
ベッドに潜り込んだ途端、
人の温もりが欲しくなる。
「…しょーさん、」
ぽそっと呟いたこの声は
誰にも届かない。
一番届いて欲しい人にも、
届かないから。
さっきまでテレビでカッコよく
話してるあの人を見たら
もう少し夜更しをしても
いいかもね…なんて。
…明日も仕事だし、
早く寝なきゃな。
『先に寝るね。
おやすみ。
カッコよかったよ。』
これだけと簡単な文で
俺はいつも想いを伝える。
少しだけ。
ほんの少しだけ期待してる。
俺が起きてる間に、
帰ってきてくれないかな…って。
「あ、」
振動音が聞こえて、
夢に入り込みそうだった
頭が起きてきた。