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甘く、苦く

第69章 翔潤【near to you】






『潤くん起きてる?』


それだけの短文だった。

『うん、起きてるよ』

『ZEROみてた?』

『うん。で、用は?』

『いや、なんかね…』


そこで止まってしまった文。

…言いづらいことなのかな?


『どうした?和?』

『寂しいんだよね』


同時に送ってしまった文。

『あ、ごめん』

『や、大丈夫。最近あの人、
なんか冷たいんだよね』

『リーダーが?』

『うん、だから寂しくてさ、
潤くんはそういうことない?』

『あるよ。』

…だって、今だってこんなに
恋焦がれてるのに。


『だよねー。あ、帰ってきた』

『じゃあ、おやすみー』

『うん』


そのまんま、会話が途切れた。





翔さん…まだかなぁ。

気付けば午前二時。

いつもより遅い…。

なにやってんだろ、
こんな時間まで…


「さむ、」


寒くて、でもなんか寝る気にも
なれなかった。

温かいものでも飲もうって
思ってリビングに行けば。

煌々と点いている電気。

びっくりして覗けば、
そこにはスーツ姿の翔さんがいた。

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