
甘く、苦く
第69章 翔潤【near to you】
暗い寝室でこんな行為を
してるなんて思うと、
まだ恥ずかしくなる。
同棲してると思うと
未だに顔が熱くなる。
「…あ、おはよー」
「おはよ」
いつもは寝起きが悪い癖して
俺が仕事だからって
早起きしてくれて。
美味しい朝ごはんを
作ってくれてるんだ。
「…翔さん、午前上がりだよね。
お掃除して待ってるから
…それとね、お買い物頼んでもいい?」
「うん、いいよ。」
「はい!じゃあこれお願い」
潤にびっしりと文字が書かれた
メモ用紙を渡された。
「それ、買ってくれないと
今日の夜ごはんはないからね?」
「…はい、わかりました。」
「ふふっ、じゃあいってらっしゃい」
「うん。いってきます、」
玄関へ向かう際に、
潤が必ず見送りをしてくれる。
ちゃんと、いってらっしゃいの
キスをしてくれるんだ。
「(俺ってすげえ幸せなヤツ…)」
もう一生このままでいい。
ほかには何もいらない。
潤がいてくれれば、
それでいいから。
