テキストサイズ

甘く、苦く

第69章 翔潤【near to you】

櫻井side



そんな気持ちにさせてたんだな…って
思ったら、なんか自分が情けなくて。

こんな自分、最低だなって。


「いっ、いいよ!全然!
寂しくても、翔さんはちゃんと
帰ってきてくれるんだもん…

翔さんがいるだけで、
充分なんだから…」


そんなこと言ってくれる潤が
本当に俺は好きだ。

今年だって、来年だって。
ずっとずっと好きだ。


「…潤、ごめん…」

「んーん、大丈夫だよ。
それより俺は、翔さんの体調の方が
心配なんだよ…?」


仕事し過ぎ…って言いながら
腕の力を強くした潤。

…あったかい。


「……潤、シよ…?」

「へっ!?い、今からっ…!?」

「うん…シたい…だめ…?」

「やっ、あの、でもっ…」

「明日も明後日もする時間ないじゃん…」


ちょっと上目遣いで潤の方を見たら
顔を真っ赤にさせてて。

小さな声で、「仕方ない、から…」
なんて言うんだ。


「…潤、可愛い…」

「ひぁ、…しょ、さん…っ」


耳朶に口付けをして、
服の中にするすると手をいれれば。

すぐに潤は素直になって。


「や、んんっ…」


熱い吐息が漏れる唇は
隙間もないくらいに密着させて。

お互い、ひどく興奮していて、
ただ愛を確かめ合うことしか
できなくって。


「んぁっ、ぁあっ…」

「潤っ…」


愛しい人の名前を呼びながら、
己の快楽を優先して。

息遣いが荒くなったと思えば、
潤が一層甘い声を上げた。


「…っ、ぁあっ」

「くっ、」


ふたりで同時に果てて、
落ち着いた頃に
潤の唇をキスを落とした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ