甘く、苦く
第69章 翔潤【near to you】
「…唇カサカサ…
帰ったらリップクリーム塗ろ?」
「…うん、」
「…帰ろ。ほら、」
んって手を出されて、
その手を握った。
……あったかいなぁ。
「…翔さん、…見て」
「へ?…んんっ。」
唇が離れてから潤の顔を見れば
イタズラに成功した子供みたいな
顔をしていて。
「翔さん、ほんとに可愛い。
…俺、ほんと離れらんないや…」
「うん、…俺もだよ。」
肩がぶつかる距離。
…でも、それくらいが
俺たちにはちょうどいい。
…距離を感じることなんて、
ないから。
ずっとずっと一緒だよね。
来年も、再来年だって。
そのまた次の年だって、
ずっと一緒だよね
「…潤、」
「ん?」
「結婚すっかぁ…」
「へっ!?…しょ、翔さっ…!?」
「んっふふ、」
「っな、なに笑ってんだよ〜///」
なんて。
それはまだまだ先のお話。
ー終わりー