甘く、苦く
第70章 末ズ【一月一日】
そしたら、マンガとかで
よく見るような、
ぼふんっ
って頭の上でなるヤツ。
それが目の前でなったから、
面白くって。
「っふふ、潤くん…なにー、もう」
「なっ、ニノが、
可愛いことするからっ…!」
あー、もうー!って言いながら
俺をまた強く抱きしめる。
その腕があったかくて、
ずっとこのままでいいや…
なんて思った。
「ニーノ、」
「んー?」
「ふふ、好きだよ♡」
「んふふ、俺も。」
「俺も?」
「…好き。」
恥ずかしくなって潤くんの
胸元に顔を埋めた。
…あ……デジャヴ…。
「また寝ないでよ?」
「潤くんこそ。」
「今度は寝ないよ。」
ソファーの上でごろごろする
新年も、たまにはいいかもね──…。
そんなふうに思った一月一日。
ー終わりー