甘く、苦く
第16章 磁石【ウソつき】
「翔さん、話したいこと、たくさんあるんです。」
俺の向かいに座っているニノ。
「なに?仕事のこと?」
それじゃないってことは、わかってる。
「あのね、相葉さんのことで…」
……相葉……くん……??
「相葉、くんのこと?
なん、で?けんかでも、したの?」
「いいえ。わたし、相葉さんが、好きなのかもしれません。」
うそ……だろ……
「うん、で…?」
「あの、ですね。
いつも、わたし、うるさいうるさいって言ってるじゃないですか?
嫌われて、ないですよね…?」
しゅんってなってるニノ。
「大丈夫だよ…
だって、相葉くんは…」
「相葉さんは、なんですか…?」
ニノの綺麗な瞳が俺を見つめている。
「ニノ、ごめん…」
「え?なにす…」
俺はニノにキスした。
ニノは大きく目を見開いたまま。
「翔……さん…?」
「ごめん。
ニノが…俺のモノになってくれないなら…」
ニノを、壊しちゃえばいいんだ…
無理矢理、俺のモノにすれば、いいんだって、思った。
「あ、翔さっ、あぁ…!ちょ、やめて…」
ニノが泣きそうな瞳で訴えてくる。
やめない。
ニノが、俺のモノになってくれない限り、やめない。
「俺のモノに…なれよっ!」
「や…やだ…相葉さんっ…!!」
ニノの口から出る名前は、俺からニノを奪った人で。
「相葉さん…!助け…ひあっ!」
「無理矢理されてんのに、感じんの?
ニノ、淫乱だな。」
「ちがっ、や、やだぁ…」
ニノが、ぼろぼろと涙を零す。
「離さないから…
ニノは、一生俺のモノだから…」
「あぁぁ…や…やだっ!」
それからは、ニノを乱暴に抱いただけだった。
「相葉…さ…ふぇっ……
なんで、こんなことっ……」
ニノは、今、絶望のどん底。
全部、俺のモノ。
こんな顔すら、愛しいんだ……