
甘く、苦く
第76章 末ズ【Please Kiss Me.】
泣き疲れて、放心状態。
なにもしたくなくなった。
していたゲームも、しようと思ってた掃除も。
だめだなぁ…。俺。
泣いたらスッキリすると思ったけど、
余計にモヤモヤしちゃうし…
今、潤くんは個人の仕事だし、
相葉さんと翔さんは話しづらいし、
大野さんは電話繋がらないし…
…だめだ。
完璧にぼっちだ。
「あ〜っ…」
こんなとき、どうしたらいいんだろう。
ただ誰かに傍にいて欲しい。
誰でもいいから。
…なんて考えるのはやはり、
潤くんに恋しちゃったからだろうか。
…恋煩いとは少し違う。
だけど似たようなものだ。
「あー、もうっ…」
重たい腰を上げて、
大きな声を出したあとは。
傍らのヘッドホンを掴み、
ゲームの世界へまた戻る。
だってもう、それしかできない。
何も考えずにいられるのは、
今の俺にはゲームしかないんだから。
