甘く、苦く
第77章 大宮【立ち入り禁止】
「ふ、不意打ちだ…」
「はは、耳まで真っ赤。」
大野さんは、本当に魅力的だ。
ステージの上に立つと、
いつもは考えられないくらい、
大人っぽくて、色気が増すのに、
ステージから降りた途端、
ふにゃ、とあどけない顔で、
屈託のない笑みを見せてくれる。
そんな魅力的な大野さんに
言い寄るヤツは山ほどいる。
─────だけど。
もうすでに、大野さんの横は俺が貰ってる。
これからも、譲るつもりなんてないね。
大野さんだって、そのつもりでしょ?
だから俺も、そのつもりだよ。
アンタが俺を嫌いになるまで、
俺は離してやんないんだから。
俺以外を俺の“心ん中”に上げたのは
アンタしかいないんだからね。
他のヤツらは、立ち入り禁止なんだから。
アンタは可愛いんだから、
もっと危機感持てよな。
…なんて、何回言っただろうか。
この人にはそんなこと、
一生通じないだろうから
俺が一生ついて教えてやるんだ。
アンタは俺のモノだ。
ってね。
ー終わりー