甘く、苦く
第78章 にのあい【Shine.】
絡まっている指先が、切ないから。
「ニノ、待ってってば…」
相葉さんの瞳を見る余裕なんて、ない。
「ねぇ、早く……」
切ないの。
さっきから胸がずっと苦しい。
ずっとずっと疼いてるんだ。
好き、だって。
そんな安っぽい言葉じゃ、
伝え切れないんだ。
もう冗談じゃ済まされない想い。
手と手が触れただけで、
切なくなって、泣きそうになる。
それくらい、好きなの。
「ニノ、俺がするから…」
「…まーくん、早く…」
「寂しかったの?」
「……うん」
だって相葉さん、
帰ってきても構ってくれないんだもん。
優しいのだって、
誕生日が終わったら戻っちゃいそうなんだもん。
俺だけを、見てて欲しいんだ。
「…くふ、可愛いなぁ。」
「も、うるさい…」
そんな甘い雰囲気を掻き乱したのは
相葉さんの方だった。
「俺…
止まれないよ…?」
…いいよ。それでも。
相葉さんになら、何されてもいいから。
だから早く、めちゃくちゃにしてよ。