甘く、苦く
第78章 にのあい【Shine.】
「…おいで?」
薄暗い部屋の中、相葉さんの声だけが響く。
お風呂上がりだからか、
しっとりとした前髪。
その前髪が触れた瞬間、
俺の中の何かが弾けて。
「わっ、ちょ、ニノっ…」
相葉さんの唇に、自分のを重ねてた。
「んっ……ふ、」
…足りない。
こんなんじゃ、全然……。
「はっ、はぁ…まーくん、」
早く、早く────
相葉さんと一つになって、溶けたい───
光でも、闇でも、どっちでもいいから。
溶け込みたいんだ。
「んんっ……」
「は、ニノ…」
大きな手に、頭を押さえつけられて
身動きが取れなくなる。
好き、好き────大好き───…
そんな想いが絡んで、
捻れて切れてしまう前に。
早く、一つになりたいんだ。
「ニノっ、まっ……」
もう、戻れない───
野暮ったいから、早く───