甘く、苦く
第17章 じいまご にのあい【キミとなら】
「あぁっ!もう!うるさいんだよ!
俺が女なら、ぜってぇ、付き合わないねっ!」
なんだよ…
昔は、俺がいないと寂しいなんて
かわいいことい言ってたのにさ…
「ねぇ、ニノ…」
「なにか…?」
さっきとは全然違う笑顔を向ける。
「今日…一緒に…」
「無理ですっっ!」
え…?
「まだ、なにも言ってない…」
「先約があるのでっ!」
先約…?
「なにそれ…」
「またね!相葉さんっ!」
ニノがひらひらと手を振る。
「あ…ばいばい…」
ニノがリーダーと出ていくのが見えた。
せっかくニノが喜ぶと思って
美味しいもの、買っておいたのにな…
俺は、いつもニノに笑顔をもらってるから…
だから、俺もニノに喜んでもらおうって
思ってたのにな…
「はあっ、帰ろっかな…」
ため息を何度もつきながら家路についた。
はぁ…
俺、リーダーに嫉妬してる…
ニノと、絡んでていいな。
ニノに慕ってもらえていいな。
あ…今日、これからドラマの撮影だ…
俺が着替えようとしたら、ニノから電話が掛かってきた。
「もしもし?相葉さん?」
「あ…ニノ…」
どうしよ、すごく嬉しい。
「撮影、続いてるんでしょ?
今日は、帰り、どれくらい…?」
「25時予定だけど、少し遅くなるかも…」
だって、雪が降ってるんだもん。
それに、往復する時間が…ね…?
「わかった…
ねぇ、家言ってて良い?」
「良いよ?じゃ、あとでね?」
「うん、寒いけど、頑張ってね?」
それだけで、撮影頑張れちゃうよ。
俺は、撮影へ向かった。